みねとも

Girl/ガールのみねとものレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
4.0
バレリーナを目指すトランスジェンダーのララの苦悩を
シスジェンダーのバレエダンサー、ビクトール・ポルスターが演じる。
ビクトールのピュアな存在感が美しすぎて、
もっと彼のバレエを見たいとも思ったが、これはバレエ映画ではない。
トランスジェンダーの少女の心に寄り添う物語だった。

ララの苦悩は重い。心と体の不一致、バレエの悩み、思春期の悩み。
それなのに、理解ある父親にも、カウンセラーにも愚痴ひとつこぼさない。
というか、つねに周りに合わせて微笑んでいる。
自分を主張して、不満を吐き出すということをしないのだ。
バレエ学校のクラスメイトの酷い要望にも結局答えた。
苦痛を一人で抱えている状況だ。

そんな彼女の唯一の望みが性転換をすること。
まるで、それ以外の自分の欲求を押さえつけているかのよう。
ララの気持ちを考えると苦しいが、衝撃のラストは、そういう流れから生じる。

ただ、現実の世界では、同じように悩む子たちのために、どうにかできないものか……
みねとも

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