ドクバリ

グリーンブックのドクバリのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.2
面白かった、っていうのとちょっと違うかもだけど、やっぱ面白かったです!

1960年代アメリカの黒人差別がベースにあるお話なので、この辺の時代背景についての知識が過去に観た映画しかない自分にとっては分からないことだらけだったし、チャビーチェッカー、サムクック、リトルリチャードあたりの音楽も知らないし、辛うじて聞いたことがあったのがショパンの木枯らしくらいしかなかったのは悲しすぎるところだけれど、そのへんの事を知らなくても単純に楽しめました。

ストーリーについて。
ナイトクラブの用心棒をしていたトニーだったが、働いていたクラブの一時閉鎖に伴い職を失ってしまい、当座のお金欲しさに黒人ピアニスト・ドンシャーリーのコンサートツアーの運転手(兼用心棒)をやることになる、ってお話なんですが、序盤の5分くらいでトニーの人柄が分かる作品の作りだったり、劇中に登場する伏線の回収の仕方などがとてもキレイで自分好みでした。

そしてなにより、街のクソガキがそのまま大人になりました、って性格のトニーと、絵に描いたような真面目&頑固な性格のドンが何度も衝突を繰り返しながら互いを理解していく過程が良かったです。
この辺の掛け合いも作りがとても良くて、トニーが無理やりケンタッキーをドンに食わせたり、、トニーのポイ捨てをドンが注意したり(意外と素直に従う)、、ドンの演奏にトニーが感動したり、、トニーがドンをピンチから救ったりと、2人が相互に影響を受けるバランスがなんだか心地良かったです。

ただ、上記の掛け合いだけならある意味普通のロードムービーなのですが、ここに黒人差別を絡めて旅の中で視聴者に差別の現実を知らしめつつも、差別する側だったトニー自身が黒人に対する考えを改めていく過程を見せてくるところも上手いなぁと思いました。
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