このレビューはネタバレを含みます
『あぁ、城に住んでるとも。たった1人で!』
ドクらしい、彼にしか言えないフレーズだなと思った。
個人的な話だが、学生だった頃に南アフリカに旅行に行ったことがある。
白人と黒人が共存する国だが、車を持っているのは10割白人だった。
同じ国でも、それくらい黒人が上にのし上がることがどれだけ難しいことか、肌で感じたからこそ、その中で黒人が生きることの孤独さをこの映画を通して改めて感じた。
そんな境遇の黒人と、自覚のない偏見を抱いていた白人の二人が、旅を通じて偏見を取り除き、そして「寂しい時こそ、一歩踏み出すんだ」とトニーに背中を押されたドクが、ラストシーン、トニーの家を訪れたのは感動的だった。