単なる黒人と白人の対立構造ではなく、裕福で才能のある、労働階級ではない裕福な異端児の黒人と、 イタリア系であり教養もなく狭いコミュニティで生きる白人。という複雑な設定が、あの時代いかに多様性押しつぶされていたか。1人1人の人生は単に黒人白人、身分、給料、そんな断片的なものでくくられないほどに多様であるのに…と、人種差別だけでなく「一人一人を認めること」に目を向けさせてくれた。
ワンホールピザ折りたたんで食べるシーンとか、タバコ潰した後小指で耳ホジホジしてピンってやったりとか、人物描写が可愛いくてほっこりした。
奥さんがシェイクスピアさながら手紙の真相に当たり前に気づいててこれまたニヤけた。黒人が飲んだコップをゴミ箱に捨てたあのトニーが、彼と仲良くしてるんだわって、嬉しいね。
差別は暴力なんかじゃ解決しない。対話し、理解していく。耐え忍ぶドクの高貴な精神に胸が熱くなった。