みわこっこ

グリーンブックのみわこっこのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.2
ボスと運転手。

実際はお高く留まった黒人と暴力的なスペイン人、そんな二人が黒人差別色濃いアメリカ南部へ出発しま す。

導入は、二人がどんな人柄であるか面白いくらいに分かります。
美術品に囲まれて玉座に座るドン。
暴力で鎮圧、あんまり深く考えないタイプか?と思いきやしっかり差別をするトニー。
人種関係なしにまずあんまりちかづきたくないタイプだと思います。

なにもしていないのに車を止められてハンズアップさせられる緊迫したシーンはニュースや映画で何度かみてきました。 ある程度地位の高い黒人でも招待先で外のトイレに案内されたり、高級店では連れと一緒に食事 できないなんていうのは知りませんでした。南アメリカでもツアーできるってことは敬意を示す人はやっぱりいるん だ!と観始めていたところ、、、用心棒といっても街中だけの話かと思いきや招待先も含めてどこでもだったのですね。畑仕事をする黒人をみつめるシーンを見て、ドンはどこにも居場所がないのだな、と悲しくなりました。

ロードムービーなのでイベントとともに二人の関係や心情に変化が生まれます。その様が気持ちよいくらい行動に 表れていってとっても素敵な作品でした。

シリアスなシーンが多く辛いですが、二人のやり取りはお互いにお互いがチクチクしあいながらも コメディでかわいかったです。粗暴ながらもトニーの家族思いの人柄はすごくよくて。(ていうか奥さんがめっちゃいい。)寄り添ってあげるドンもよかった。帰り道からの最後のシーンすごくいいよね。ドンはトニーのおかげで救われ たと思うし、トニーはドンのおかげで成長できたと思います。

この作品がアカデミー作品賞を取ったこと、ドンの遺族が抗議しているようにきれいごとでは済まない事情もあり、 感想が素敵な作品だった、で終わってしまってはよくないテーマですが人種ではなく人柄をみて人と接していこう、 と強く思いました。
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