ハセベコユキ

グリーンブックのハセベコユキのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
-
『最強のふたり』的な良さがあった。

白人だけどスラングを話し、腕っぷしとハッタリの強さで生活をするトニーと黒人だけど知的で教養があり、国からも評価されているほどにピアニストとしての実力を評価されているドン・シャーリー
対照的な人間性の2人が出会い、8週間の旅を通じて次第に心通わせていく様が描かれている作品。

夫人宛の手紙を添削するシーンや、一緒にチキンを手づかみで食べるシーンで友情が通ってきているなと微笑ましい気持ちで見てたけど、2人の関係性が1番近づいたのは、シャーリーがトニーに対して差別から感じる自分の孤独さを訴えたところだと思った。あの事件や告白がなければトニーは差別的な考えを理解することも改めることも出来なかったと思う。よく身近でも「相手の立場に立って考えたらわかるじゃん!わかれよ!それくらい!」と思うことは日常的にあるけど、意外とちゃんと言葉で伝えなきゃ通じない。自分の孤独さや窮屈さは、理解されないと1人で抱え込むより、ちゃんと伝えるべき相手がいるなら話してみなきゃ何も状況が変わらないなと思った。


ラストシーンでトニーの夫人がシャーリーの耳元で「手紙をありがとう」と伝えるシーンが一段と良かった!「やっぱりバレてたんや笑」というのと手紙を通じてシャーリーの人柄が伝わってたんだなって思えて、シャーリーが肌の色で判断されるんじゃなく、人として家族として迎えられてる様子が、観てる方まで嬉しく感じた。