mai

グリーンブックのmaiのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
アカデミー賞取らなかったら絶対に手に取らなかった作品です。アカデミーとって当然!くらいに思える作品です。
感動作…という印象はあまり強くなくて、それも作品中ですごくユーモラスな表現が使われていることと、品があるのが要因だと思います。

黒人嫌いのイタリア系の白人トニーと一人ぼっちでいることの多い黒人ドク。
この凸凹コンビが本当にぴったりハマってるんです。トニーは偏見を持ってるというよりかは「これはこうだろ?」みたいなテキトウな決めつけで動くようないい意味でサッパリとしたキャラクターで、最初は頑固そうだなぁとか思ってたけれど、ドクとトニーの会話を聞いてるとすぐに彼は情に熱い人で、自分が思う通りに事を進めてくタイプの人間なのだと思いました。それに対して、ドクは慎重派だけれど変化や新しいことには少し臆しがちで…そこが親しみが持てるところでもあり、品を感じさせるところでもありました。真反対の2人だけれど、お互いがお互いを補い合って段々と仲良くなってく過程で生み出されるユーモラスな会話が終始心地よくって、2時間以上の映画をこんなに「あっという間」だと感じたのは初めてでした。映画中は頻繁にクスクスと笑いが起こっていて、いつもはそういうのも苦手で静かに鑑賞したいタイプなのですが、それが今回は居心地良かったです。

そしてこの映画の大きなテーマの一つでもある「人種差別」ですが、そんなことが?と不快に思うこともありつつも、それをトニーが一蹴してくれるし何よりも重たくなりすぎないところが寧ろ心に刺さりました。

ストーリーはずっと2人のツアー中の出来事や会話を纏めているスタイルですが、あっちこっちにユーモアが散りばめられていて、ちょっと前のシーンでちらっと触れられたことが忘れた頃に回収されるのが最高に面白かったです。そして、それに静かにツッコむ(というかスルーする)ドクがおかしかったです。笑

音楽もすごく良くって、こんなにカッコいいピアノサントラ…欲しくなりました。笑
特に、ドクがバー(というか大衆酒場)で楽しそうに引いてた姿が凄く印象的だったので、その曲が欲しくなります。
そしてフライドチキンが食べたい、本当に美味しそうだった。笑

感動作!と大々的にPRしてるので、(わたしのように)敬遠する人もいると思うのですが、感動作なんだ…と身構えずに、寧ろ気軽な気持ちで観てほしい作品でした。
もちろん感動もするけど、それと同じくらいクスクスと笑えるし、2人の凸凹だけどハマっちゃってる感じが素敵でした!
mai

mai