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グリーンブックのshimiyo1024のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.8
本質的には有色人種も、そうであるからというのを抜きに評価される日が来たらいいよね(逆も然り、全てにおいて)ということなんだが、差別被差別で歴史が始まってしまった限りでは、やはり黒人が西洋文化、特にクラシックをやるのは分が悪くて、というのも黒人が影響力持ってきた、ならではの表現をやるからこそ、アイデンティティになるし、反動にもなるから…というのを再認識した
トニーのことは存じなかったが、二重(三重)にマイノリティなドク、同時代の誇り高きジャズメンにも相手にされないだろうし、あんなクラシックにもジャズにもポップスにもならない、黒人にしてはやるね、程度にしか評価されないものやらされて、終盤のセッションなんかは楽しめてたけど、それだってブルースを内に秘めてないドクのことだから永遠に黒人らしい黒人、のソウルは獲得できず、という結局自己規定、選民的なところから自由になるのが難しい、のが難しいんだが、ほんとにつらそー、って観ながら思ってたけど、自らの行き場のなさについての独白がちゃんとあって良かった
そして白人社会内でもマイノリティのイタリア系との交流、共感というところでは十分に批評性があって良かった
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