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グリーンブック(2018年製作の映画)
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実話を基にしてる割に60年代南部アメリカにしては随分と優しいし避けては通れなかったはずのソドミーにも触れず「いろいろあるよな」と時代にそぐわない不自然な優しさで片付け(それが彼の異質な親切さであったならそれをもっと強調すべきだった)、そもそもタイトルにあるはずの重要なグリーンブックの生い立ちすら無視、これが男二人の友情物語で片付けられる話であれば上澄み痛快ハッピーエンドムービーで終わらせられただろうがこれはそういう映画でないでしょう。ムーンライトやゲット・アウトの受賞で喜ぶアカデミー賞の構図と同様、黒人が白人社会と交わったことで白人に良い影響をもたらし結果白人が黒人に手を差し伸べてめでたしめでたし、みたいなフェーズはとっとと卒業した方が良い。人間は多層的で多面的で複雑なんて当たり前のことにいまさら気付くのも本当にそろそろやめてほしい。別に差別をあつかう映画ならもっと物々しくシリアスなものにしろとかは思わない。こういうライトでわかりやすいものでないと伝わらないこともあるのもわかる、ただ実在の人物、実際にあった話を題材にしたにしてはそれらへの敬意はどこにあるのかと問いたかった。

車内でケンタッキーを食べるシーンは萌えだったのでそこは良かった。それだけ。
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