以前から気になっていた映画。
舞台はアメリカ。イタリア人であるトニーは黒人ピアニストであるシャーリーに期間限定の運転手として雇われる。シャーリーは有名なピアニストで8週間のコンサートツアーを行うのだ。しかし、旅先は黒人差別が激しい地域であった。ガサツなトニーとプライドの高いシャーリーは最初こそ何かとぶつかっていたが、旅をするうちに徐々に打ち解けていくのだがーー。
差別が今よりも激しかった時代の実話を元にした映画です。黒人ではあるがピアニストとして成功を収めた裕福なシャーリー。愛する家族に恵まれたが仕事を失い、貧しいトニー。お互いに問題を抱えた2人。
「白人でもなく黒人でもない。男にもなりきれない、私はいったい何者なんだ」
というシャーリーの言葉に、彼の孤独を感じ切なくなりました。そんな頑ななシャーリーの心を解したのはガサツで無教養なトニー。彼は、シャーリーの演奏を聞くことで黒人としての彼ではなく1人の人間として尊敬したのだろうと思います。
2人の友情が終生まで続いたことを知りとても嬉しくなりました。
ただ、シャーリーが白人男性とシャワールームで裸で蹲って警察に取り調べを受けていたシーンは「?」でした。上記の言葉で「ああ、そういうことね…」となっとく。あのシーンは、もう少し分かりやすい方が良かったかな…
期待通りに素敵な映画でした。