本作が向き合っているのは、悲しいことに今ホットになっているテーマ「人種差別」
George Froydさんの事件を発端とする運動からSystemic Racismについては自分なりにいろいろリサーチをしていますが、こうして改めて映画でその有り様を見ると驚きが隠せません。
まずジム・クロウ法が1964年まで存在していたことが驚きです。
基本的人権の尊重という近代国家の超基本概念がこんなに蔑ろにされていたんだなと思い、アメリカの憲法について調べてみると、権利章典で修正条項が追加されるまで憲法にその概念がなかったことを知りました。
そうして数年ぶりに政治・経済の教科書を手にしています。
本当は世界史からアメリカの歴史をもう一度紐解きたかったのですが、世界史の教科書が手元になく…。
大事なことは"相互理解"だと思います。
一方的に白人サイドを叩いても物事は好転しないと思うので。
価値観や考え方のような両者のcultureを理解して、そこから法制度や社会の仕組みのようなsystemの話に移っていきたいかなぁと。
「なんでこいつfilmarksでこんなこと語ってんの?」って感じですが、やっぱりその国のculture,historyを分かっていないと映画も分からないんですよね。
映画をチャネルとして異文化を理解していくってのが映画の醍醐味だと思います!
だから僕は勉強します笑
はい、それでは映画本編の話です。
"What am I ?"
この問いが本作の本質でしょう。
英語を習い立ての中学生が言葉遊びで使うこのフレーズがこんなに深い言葉だとは。
人種差別問題を超えた、マイノリティが持つパーソナリティの悩み、ここが肝ですね。
(事実に基づいてはいますが)キャラクターの設定としても、トニーとシャーリーのバックグラウンドの対比がさらに深みを与えていましたね。
これはアカデミー取りますよ!
というかアカデミーあげざるを得ないよ笑
アカデミーも昨今その評価にバイアスがかかっていると批判が相次いでいますが、少しずつ動き始めてはいるのかな、なんて。
参照
・Cinemas PLUS, 滝口アキラ
『グリーンブック』が全映画ファン必見な「3つ」の理由。感動のラストを見逃すな!
https://cinema.ne.jp/recommend/greenbook2019030406/
・Real Sound 映画部, 麦倉正樹
『グリーンブック』は“人種差別”だけを描いた映画だったのか? その先にあったテーマを考える
https://realsound.jp/movie/2019/09/post-422165.html