2024年2月以降はただのフィクションと思えなくなってしまった作品。始まりと終わりが繋がったとき、絶望感が残った。私にはブラックコメディとは呼べない。
紛争が日常の中に隅々まで入り込み、その地にいても自分が経験しているものの正体がわからない人々。一人ひとりが生活のため(や個人としての卑小な感情や考えにもとづいて)とる行動は、ひとつ視座を上げればどちらかの側に与するものになり、政治的権力に簡単に搾取されていた。それぞれのエピソードが実話をもとにしたものであるなら、この2年間のドンバスの状況はどうだったのか。
ウクライナ政府関係の資本が入っているけれど、ウ側の人々の弱さや醜さも描かれていた。