MoscatoBianco

ザ・ハント ナチスに狙われた男のMoscatoBiancoのレビュー・感想・評価

3.5
寒い、冷たい、痛い、苦しい、厳しい。夏にお薦め。

1943年3月24日から始まるマーティン・レッド作戦と呼ばれるノルウェー人による軍事行動(ドイツ管理下の飛行場管制塔の爆破)の話です。実話です。
でも作戦自体は3月30日にあえなく失敗します。重要機密書類も独軍の手に渡ってしまいます。
作戦の参加者12名は、1名を除いて全員独軍の捕虜となり、すぐ後に銃殺または拷問死します(実際は1名が現場で射殺、他の1名は拷問の後銃殺)。

この映画はそこから始まるノルウェー人中尉ヤン・ボールスルドの逃走劇です。中尉は作戦の唯一の生存者です(The 12th man)。

一方、これを追跡するのはSS少佐クルト・シュターゲです。偏執狂的執念深さです。敵のスパイや工作員を一人も取り逃がしたことがありません。

ボールスルド中尉は右足の親指を負傷してるし、寒さと飢えで体力もなくなるし、一人では逃げ切れません。
バレれば処刑されるかもしれないリスクを覚悟して、逃走経路上の何人もの民間人が中尉を助けてくれます。
痕跡も残せないので、細心の注意が必要です。この映画のはらはらポイントです。

お陰さまで、1943年5月28日逃走59日のすえに、中尉は中立国スウェーデンに逃げ込めました。

寒くて厳しい季節でしたが、実はこれが雪がない夏だったら、ソリやスキーが使えなくて逃げ切れなかったかもしれません。
MoscatoBianco

MoscatoBianco