ますお

フロントランナーのますおのレビュー・感想・評価

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.0
No Heart to Hart at this movie.
ゲイリー・ハートの本心が知りたかった。
劇場公開後、あなたも、マスコミや選挙事務所の皆さんと心を1つに会する。

…と、思う。ヘイトしたいわけでは決してない事は先述したい。

ハートだけでなく、マスコミ側・選挙事務所のキャラ付け(誰がどの新聞社か?事務所の人間は誰?)は序盤で巧みに構築され、その後のストーリー展開に於いて大いに役立った。

それを以ってマスコミ交えた群像劇を描きたかったような節を感じたが、何分ハートが誰に対しても本心を明かしてくれないので、群像劇に思えない。
ハートが人間的な弱さを見せてくれないから、我々も表面的な部分でハートを判断するしかない。
正直オチも『自業自得』とも思う。

本物のハートは、もっと違う複雑なファクトを抱えていて、様々な理由から候補を降りたのかもしれない。
そう言った人間的な救済が本作のハートには乏しい。

ハートから人間的な信頼を得ており、ハートを支持していたとある新聞社の記者も、幾たびも『ハートを支持しているのに、なぜその質問をするのか?』としか思えない、いわゆる”ゴシップ誌”的な質問ばかり投げかけて、記者の心は何処にあるのか理解できなかった。

なお、ヒューは『政治的な知識は何一つ必要ないよ。楽しんで!』と言っていたが、
新聞社各社の話(話と言うか、当時のUS新聞各社はもはや政局レベルの構成である)や、当時未だ払拭し得なかった男尊女卑の観念(※これはきっと色々なご意見もあると思うので、あくまで『観念』に止め置く)を鑑みると、
当時の文化・ナショナリズム、世論やニュースについては理解してから見た方が”より”楽しめると思う。
ベターであって、絶対楽しめない訳ではない。
予習的な意味も込めつつ、個人的に本作と同時系列でオススメしたい『ペンタゴン・ペーパーズ』を見た上で本作を見ると相乗効果があると思う。

生で見たヒュー・ジャックマンの人となりに心打たれたので、一応3。
1.22 Fan screening @roppongi hills
ますお

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