ノットステア

ONE PIECE エピソードオブ東の海(イーストブルー) 〜ルフィと4人の仲間の大冒険!!〜のノットステアのレビュー・感想・評価

3.6
『ONE PIECE FILM RED』大ヒット記念のため、「ONE PIECE公式You Tubeチャンネル」で2/10まで無料配信。


○感想(※原作のネタバレありです。魚人島編まで。ビッグマムとカイドウについてもちょっと。)
 無料ということで初めて観た。新しい発見はないが、忘れていたことを思い出すきっかけにはなった。

 やっぱり何度観てもココヤシ村の人たちにアーロンがしたことには腹が立つ!!そりゃあもうルフィが「当たり前だ」「行くぞ」と言ったときのカッコよさは鳥肌もん。スッキリさせてくれる。

 この作品では描かれないけれど、原作でアーロンの過去が明きらかされたのはちょっと残念。だけど、尾田栄一郎という作家のストーリー構成はスゴイ。過去をいつどのように描くかというタイミングが素晴らしい。
 アーロンにも辛い過去があるっていうのは、サスペンス要素が薄れてしまう。つまり、アーロンという人物の得体の知れない怖さなどが薄れてしまう。原作を初めて読んだとき、アーロンより強い奴なんているのか!?ってちょっと思ったもん。ホンマにやべー敵だと感じた。それは得体の知れなさがあったからだと思う。
 まぁ、アーロンの過去が明らかになったときはアーロンは既に弱すぎる存在だったから良い。(いや、アーロンが弱いってのはやっぱりちょっと残念だけども。)
 アーロンの過去が明らかになるのは魚人編。魚人島編のテーマは人種差別だろう。アーロン含む魚人たちの過去を描くことで人種差別の問題を描こうとしている。ルフィたちにとってアーロンが弱い存在になったからこそ、過去を描いたとしても新世界編のサスペンス要素は減らない。(改めてココヤシ村のストーリーを見返したときのサスペンス要素は減る。)
 また、魚人島編の悪役ホーディには人間を恨む理由が「なにも」ないというのが良い。なんの過去もないのに、悪の行動をしている。得体の知れない怖さはあった。サスペンスとしても良かった。ただし、ケンカは弱かった。だから怖さがあまり伝わりにくかったかも。
 原作ではビッグマムやカイドウの過去も少し描かれている。ビッグマムに関しては幼少期から巨人より強くてヤベー奴っていうだけだから、サスペンス要素はあまり減ってないかなと思う。カイドウについてはキングとジョイボーイの話をちょっと。カイドウはなんだか人間味が少しあって、サスペンス要素が減ってしまったように感じる。ルフィとの決着のときに過去を描く必要はなかったのでは???

※サスペンスについては、『七人の侍』のレビューで黒澤明と是枝裕和を比較しながら考察した。悪役を掘り下げなければサスペンス要素が強まり、悪役を掘り下げると、様々な問題や多様な価値観を提示提示することになる。

※白ひげが魚人島をナワバリにしたことでホーディたちは人間から被害を受けていない。しかし、魚人は人間に差別されているということを聞かされてきたため、ホーディは人間を憎んでいる。

※アニメ『ONE PIECE』では、ホーディは人間に襲われた過去を描いてしまったらしい。人間に「なに」かされた過去があるけれど、「なにも」というセリフを言うホーディ。。。





○概要とストーリー、印象的なセリフ
『ONE PIECE』で、グランドラインに入るまでの話。約20分×5人(ナミは30分以上で長め)で約100分ちょっと。
『ONE PIECE エピソードオブ東の海(イーストブルー) ルフィと4人の仲間の大冒険!!』だけの特別なストーリーは無い。


・エピソードオブルフィ…フーシャ村


・エピソードオブゾロ…斧手のモーガン+海上レストランバラティエで鷹の目のミホーク


・エピソードオブウソップ…シロップ村。
※坂に油なし。ニャーバンブラザーズもなし。
ゾロ「笑ってやしねーだろ。立派だと思うから手を貸すんだ。」
ルフィ「同情なんかで命かけるか!」
ルフィ「死なせたくない男がいるからだ」


・エピソードオブサンジ…海上レストランバラティエ


・エピソードオブナミ…ココヤシ村とアーロンパーク
ナミ「なんだか胸にぽっかり穴が開いたみたい」
アーロン「裏切りはてめぇの十八番だろがよ」(原作でもアーロンが同じセリフをナミに言う。これは明日レビュー予定の『ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島』と関連あり)

ルフィ「おまえ、おれの仲間だろ?迎えに来た」


・エンドロール:グランドラインにルフィたちが入る頃の、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルック、サボ、エースの絵。





どうでもいいけど、今日は節分。
ゾロがミホークに「鬼斬り」…鬼の描写無し。
ゾロがハチに「鬼斬り」…鬼の描写あり。