いやぁ…この興奮をどう抑えればいいのか…
23歳の卒業制作とは思えないというか、むしろその時点でこれほどまでに撮れてしまうのは天才と言う他ないのかもしれない。
何を言っても陳腐になってしまうけれど、とにかく全てのショットの中に生身の人間の匂い立つほどの情念や輝きが収まってしまっていて、それらが細い糸を頼りに手繰り寄せられることによって爆発的なまでのエネルギーを生み出している。
そして、映画全体を逆流させるかのような静謐さに包まれたあのラスト・シーンからエンド・クレジットまでのひと繋ぎの流れが、その輝きや情念を骨抜きにするかのごとく悠然と聳え立っていて、そんなことをされてはもはや我々は何もなす術がなくなってしまう…
いや、ほんとに凄い作品です、これは。
23歳のデビュー作にして、エドワード・ヤンとかファスビンダーの領域に片足を突っ込んでると言っても過言ではないと思う。すごかった。