地球外生命体

漂うがごとくの地球外生命体のレビュー・感想・評価

漂うがごとく(2009年製作の映画)
3.4
ハノイを舞台に、満たされない想いを抱えながら彷徨う現代のベトナム人女性を描いた、第66回ヴェネツィア国際映画祭の国際批評家連盟賞受賞作。満たされることのない人間の孤独や欲望を表現し、登場人物がそれぞれ抱える心の乾きが、湿度の高いベトナムの風景や水の流れなど美しい映像と共に描かれる。

ハノイで旅行ガイド兼通訳として働くズエンと、タクシー運転手のハイは、出会って三ヶ月で結婚を決めた。式のあと酔いつぶれ、夫婦の寝室へ担ぎ込まれる新郎ハイ。後日、式に来られなかった友達のカムを訪ねた帰り、彼女の代わりに手紙を届けに行ったズエンは、受取人のトーに襲われる。ハイとは正反対の、どこか危険な匂いのするトーに何故か魅了されていくズエン。だが女としての彼女の目覚めは、やがてある悲劇を招く……。

脚本を第30回東京国際映画祭のCROSSCUT ASIA部門で『大親父と、小親父と、その他の話』が上映された、ベトナムの鬼才ファン・ダン・ジーが担当。

日越国交樹立50周年記念【ベトナム映画祭2023】上映作品。

音楽/Ngọc Đại(ゴック・ダイ)

★2009年ヴェネツィア国際映画祭
国際批評家連盟賞
★2010年グラナダ映画祭
審査員特別賞
最優秀アジア映画賞
地球外生命体

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