全力で、恋した時間は、永遠なんだ。
岡田惠和と峯田和伸が上梓した同名連作短編集を、菅原伸太郎監督、岡田脚本、古舘佑太郎、石橋静河主演により映像化したドラマ。
冷凍食品会社で働く笹沢コウタが、7月7日に偶然中学の同級生で、憧れの天野千日と出会い、以降、毎年同じ日に再会を約束するも、突然会えなくなってしまうという恋模様を描く。
原作は未読。
主人公となるコウタを古舘、千日を石橋、それぞれの中学生時代を大西利空、清原果耶、コウタの父母を光石研、和久井映見、中学生時代の同級生伸二を小林喜日が演じているほか、しゅはまはるみ、蒔田彩珠、泉澤祐希、恒松祐里、吉村界人、岸井ゆきの、宮本信子等が登場。
また、原作の峯田本人もラーメン屋の店主として出演しているのに加え、カメオ出演で、麻生久美子、みうらじゅん、田口トモロヲ、宮藤官九郎、曽我部恵一等が登場と、何気に出演陣は豪華。
物語は、東京で暮らすコウタが、かつて女神と崇めていた千日と偶然再会し、七夕の日に毎年会うという、何ともファンタジーのような設定でスタート。
中盤からは、中学生時代に起きたある事故との関係性が明らかになっていくとともに、二人の関係も断ち切られていくこととなるのだが、何はともあれ、主人公コウタの不器用でピュアな性格が、ノイズに感じてしまい、終始物語に入り込めなかったかな、と言うのが正直な感想。
多くは語られないが、コウタをそのような存在であることを周囲は認めている雰囲気であり、だからこその物語ではあるものの、古舘の演技が若干オーバーアクト気味であるのに対し、他の俳優陣がナチュラルな演技であったため、良くも悪くも一際目立ってしまっていた印象。
と同様、石橋演じる千日が、コウタのことを基本常にフルネームで呼び続けていた(終盤に一度だけ下の名前で読んだと思われる)のも違和感あり。
全体的には過去と今を繋ぎ、未来へと新たな一歩を踏み出す青春物語として悪くないのだが、上記のような、どこか現実世界であって、そうでないようなファンタジー感が、私には今ひとつだった一作。
今日会ったところで、来年の今日。