はるちゃん

カヴァレリア・ルスティカーナのはるちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作の舞台であるシチリアで撮影した映像と、スカラ座での舞台映像、セット撮影の融合が素晴らしいオペラ映画。

シチリアのロケーションは、原作者であるジョヴァンニ・ヴェルガの故郷ヴィッツィーニだそうです!ヴェルガは自分の住む村を、物語の舞台としたそうなので、まさに原作「田舎の騎士道」の舞台その場所で撮影したということ、素晴らしいですね。

本作はソンゾーニョ社の1幕オペラコンクールで名を馳せたヴェリズモオペラ作品。始まりから終わりまで教会前の広場だけで話が進みますが、こちらはオペラ映画ならではの演出で、実際のシチリアの村の風景が挿入されてとてもいいですね。

シチリア方言は、前奏曲のトゥリッドの「シチリアーナ」で聴くことができます。

戦争に引き裂かれた男女に端を発する胸を打つ悲劇です。イースターの神聖さとお祭りの華やかさ、その陰でゆるやかに破滅に向かって進行する劇。Preghieraは何度聴いても美しいです。

ゴッドファーザー3を観なおしていて、どうしても観たくなったので、兼ねてから気になっていたゼフィレッリ監督演出版を購入しました。




メモ
余計な豆知識かも知れませんが、シチリアの風景に登場してきた印象的なサボテン。ウチワサボテンの一種で、その実は食べられるそうです。フィコディインディアと呼ばれている果実とのこと。シチリアを中心に南イタリアで主に食べられているのだとか。

ゴッドファーザー3の劇中劇のカヴァレリアルスティカーナにも、ウチワサボテンが登場していましたね。


メモ2
このオペラを観たことのない人も知っている有名な世にも美しい間奏曲。冒頭のメロディは、作中のPreghieraの冒頭メロディと同じ。

Regina caeliで始まる劇中のその歌は、聖母マリアへの祈りを歌うグレゴリオ聖歌の歌詞そのまま。ですから、ここだけラテン語だそうです。祈りの聖歌は4つの種類があり、歌う季節がそれぞれに異なるそうです。

Regina caeliは、ちょうど復活祭の頃に歌われるとのこと。