すあまさえ

ジョーカーのすあまさえのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.7

面白い作品だと思う。
よく作られていると思う。
構成も映像もストーリーも。

けど、共感はできない。
そういう日本人って、多いんじゃないかな。

パラサイトもそうだけど、貧困と差別に対する怒りや憎しみ、トラウマというものが、日本に住んでいると、そこまで明らかに赤裸々に感じる事ってなくないですか??

生活保護もあるし、補助もある。
お金がなくて中学行けませんでした、って方は、いなくはないんだろうけど、アメリカや韓国に比べると少ないよね。

母親の介護をしながらコメディアンを目指すアーサー。アーサーがジョーカーになっていく。

要は革命というか、お金持ちの偉い権力者に対する復讐だ。
最後、ジョーカーはあの街のブラックヒーローになる。

けどさ、その感覚って、ピントはこない。
この作品にもあるけど、洋画をみると、治安の悪い地域で引ったくられて追いかけて路地裏でボコボコにされるとか、そういうのの象徴的なシーンって、割とあるじゃない。

日本にもないわけじゃないけど、日常ではないよね。だから流れると違和感を感じてたし、痛そうとか、このシーンなんで必要なん?とか思うけど、その風景である程度あっちの人はこの映画の世界の説明を理解できる。

あの後、アーサーはどうなるんだろう。
捕まって、刑務所生活、又は精神病棟にまた隔離されるよね。

アーサーはいつまで楽しかったんだろう。
というか、妄想を膨らまして幻覚で自分を保つ程暗い生活で、夢をみること以外に楽しい事はあったのかな。

アーサーにほっとするような時間がくる日はあるんだろうか。そんなことばっか考えちゃう。
すあまさえ

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