木曳野皐

ジョーカーの木曳野皐のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
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“ジョーカー”という“キャラクター”が
この映画で“人間”になった。
コレ、明らかにもう1回ダークナイトを
見返させようとしてるよね?
まんまと掌で踊らされてます。
だって私今凄くダークナイト見返したい。

このジョーカーという人間の、
心の闇が照らされるわけではなく、
映し出される。
引鉄は引かれるものではなく、
引くものである。
今まで私の中で“非現実的”だった数時間前の彼は、完全に“現実的”なモノとして私の胸に収まった。
彼は狂っていったのではなく、
狂いにいったのだ、自ら。
本当の自分を見つける為に。

私は【タクシードライバー】よりも狂気が蔓延しているように思えた。
何故だろう。
あの笑顔のせいかもしれない。
時として見せる優しさのせいかもしれない。
いや、ホアキン・フェニックスの素晴らしい演技のせいかもしれないな。
あの笑みと怪演。
ヒース・レジャーの後釜として多分相当なプレッシャーだったと思うけど見事に跳ね除けてたね、凄かった。
木曳野皐

木曳野皐