よあけ

ジョーカーのよあけのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.2
以前劇場で見たときはなぜだかあまり印象が残らなかったのですが、ふともう一度見返してみると非常に強烈な映画ですねこれ。成長したのかな自分(笑)

語弊はありますが端的に言うなら映画に出てくるものすべてが汚い。世間から見向きもされない男の行く末がただただ恐ろしいです。でも、この男はただ人を殺めるだけではなくて母親を看病するとか、優しさを持った人には手をかけないとか、人間らしい部分もあるんですよね。ただ優しさが欲しかったんでしょうね。
この映画が世界に残したインパクトは、こんなジョーカーがその辺にたくさんいるということ。そしていつでも誰でもジョーカーになってしまうかもしれないということ。解消してほしいけれどこの資本主義社会では永遠に解消しないのかな。
監督はどうしてこんな映画を作ろうと思ったのでしょうか。個人的には、ジャンルも作られた国も違うけど火垂るの墓とかと同じようなメッセージを感じました。
数々の成功した作品を世に送り出している人がどうしてここまでリアルに描写できるんでしょうか…。といっても、ほんとうにリアルかどうかはいわゆるジョーカーだけがわかるんでしょうけど。

共感できなくてよかった…と自分の境遇を感謝しております。でも、こういう人たちもいるということと優しさを持つことは忘れないように。
よあけ

よあけ