ごまよ

ジョーカーのごまよのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ラストの精神病院(刑務所?)で精神分析を受けているシーンの前後で本作を分けて観ることが出来ると思う。
ラストのシーン前は、アーサーがジョーカーになるまでの闇堕ちの話。ここまでで観ても凄く面白い。
しかしそれ以降のシーンを加味すると、これまでの話はジョーカーが精神病院での精神分析中に考えた“面白いジョーク”にすぎないと捉えられる。実際、作中の時計は全て11時10分を指しており、これはラストの精神分析中の時間と一致する。つまり、ジョーカーの過去を知れた気でいたが、実は全て嘘で我々がジョーカーについて知り得ていることは何もないということになる。
『ダークナイト』をきっかけにジョーカーを好きになり、その悪としてのカリスマ性やミステリアスなところが特に好きだった。作中で口元の傷の話を2回(3回目はバットマンに殴られて詳しい内容は聞けない)するが、全く違う話をする。「そんな悲劇的な過去があったのか......」と、こちらの同情を誘うが、その内容は嘘でジョークに過ぎず、我々が彼について知っていることは何もないということになる。こんなにも魅力的で、彼についてもっと知りたいと思わせるのに何一つ教えてくれない、そんな謎めいたところがとても好きだ。
そのため、今作においても、「そんな過去が......」と思わせておきながら、全て“面白いジョーク”というオチで、我々に何も真実を教えてくれない全てが謎の存在ジョーカーであってくれることがとても好きだ。
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