このレビューはネタバレを含みます
<総評>
「ダークナイト」を見た後に気になって視聴。
クリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズのファンだと賛否が分かれそうな作品。
作っている制作会社が違う都合なのだろうか?
「ダークナイト」で出てきたジョーカーとは設定が色々違った。
ただ、見る側はそういう制作側の都合はわからないので、設定が噛み合っていなかったことで映画を100%楽しめなかった感はある。
「ダークナイト」のように見てる間にあっという間に終わっている。というよりはじっくり味わいながら鑑賞する感じ。
内面を表すような精神描写が多く、小説のような映画。
終始、ジョーカーになる男、アーサーの身体や内面、行動を不気味に描き、それが本人の中で「喜劇」となっていく様子を描いている。
視聴後に自分は胸の中に暗い感情が渦巻いていたので、作品として表現したいことはきちんと表現できていた良作だったのかなと思う。
芸術性が高くなっている一方でエンタメ性はやや低くなり、広く世間にウケる万人向けというよりはシリーズのファンや映画好きに向けた映画のように感じた。
<良い点>
・社会弱者である男が徐々に歪んでいく様を内面から丁寧に作り上げている。
・演技も含め、映像を通してメッセージを伝えるということがしっかりできている。
<悪い点>
・良くも悪くも丁寧に「社会弱者の男がジョーカーになっていく様」を描いているので、展開に意外性があまりない。