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ジョーカーのZELのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.6
先月に引き続き2度目のジョーカー試写。
最高の映画を公開前に2度も観られて幸せです。公開後も行きます。

まずホアキンフェニックス。
というかホアキンフェニックスが凄すぎる。今までザ・マスターが彼のキャリアベスト演技だと個人的に思っていた。
が、それに匹敵する演技。
正直、ジャックニコルソン、ヒースレジャー、(忘れられようとしているジャレッドレト)というジョーカー像がある中で怖さもあったが、人間味あるジョーカーを完璧に演じ切った。
特に前任者レジャーのプレッシャーは計り知れなかったに違いない。
ただ、この2人のジョーカーは比較するべきものではないと感じた。
同じジョーカーというキャラクターを演じてはいるが、その表現は全く異なる映画だから。ホアキンによってレジャーが薄れることもないし、ホアキンがレジャーに劣るわけでもない。

本作を観る前にティムバートン版バットマンやダークナイトを見返した人も多いだろう。ダークナイトは名作。だが、個人的には本作の方が好き。
ホアキンフェニックスという怪物演者を中心に緊迫感ある構成、演出で観客を引き込む。飲み物を飲むことを忘れてしまうほどに。
電車のシーン、最高すぎる。
場面的にこの言葉は相応しくないが、敢えて言う、最高にクール。

ヴェネツィアにてアメコミが金獅子獲得という歴史的快挙。著名人、批評家などの大絶賛などといった前情報の中でハードルが上がるのは当然。
それでも絶賛される。
もちろん否定的な意見も多いはず。
だが、普段アメコミに関心を持たなかったり、映画はあまり観ない人も衝撃を受けるはず。

タクシードライバーやらキングオブコメディ、フレンチコネクションなど名作が感じられる中で、ジョーカーというキャラクターのみならず、貧困層の不満、その不満のはけ口、その果て、様々な要素を盛り込みつつ、エンターテイメント性は損なわれていない。

この映画の流れを肯定はしていない。
もちろん実際に起きては大事件であり、今回はテロ対策など試写会も厳戒態勢だった。海外では騒動も起きたほど。
だが、必ずしも否定していない。

各々胸に刺さることもあるであろう、本作。どうしても深読みしたり、映画通ならではの解釈もしがち。
ただ1つ言いたいのは純粋に本作を楽しんでほしいということ。

アカデミー賞ノミネートは確実!
というほどオスカーは寛容ではないがホアキンの主演ノミネートは流石に堅いはず。
作品賞ノミネートはどうだろうか。
アイリッシュマンも傑作と話題。
デ・ニーロ、カムバック。
ワンハリといい、ジョーカーといい、映画オタクが喜びそうなノミネートも期待。

これだけの話題作。
話の種に普段劇場行かない人も観てみてはいかがでしょうか。
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