マ帆

ジョーカーのマ帆のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
理不尽で矛盾だらけの現実とは真反対でいてくれる映画に浸ってるとたまにその映画にぶん殴られる。この映画はぶん殴ったらぶん殴ったまま、そんな事もあるよと背中を押してすらくれないけど私はどうしようもなく共感してしまった派。心かき乱されてずっと泣きたかったし、ずっとアーサーを抱きしめたかった。ジョーカーの誕生譚が公開されると聞いた時、理解不能が魅力のヒースジョーカーが大好きな私にとっては同情も共感も邪魔でしかないのでどうしたものかと思ったけど、案の定それとこれとは別物だった。まあ今はそんなことどうでもいい!!!

昨日の夜観た後に買ったパンフと先輩に借りた映画秘宝を今朝まで読み耽ってた。‘‘人生に簡単な答えはないということをコミックス映画で描きたかった’’ ってホアキンの言葉に、バットマンもスーパーマンもこの映画に比べれば可愛いくらい明確だったじゃんと納得。アメコミというノンフィクションの対極にあるようなジャンルなのに観てる間一瞬もフィクションとは思えなかったもん。人の価値観を変えて悪に導きかねないヤバイ映画だと思う。70年代アメリカに限った話じゃない、今がここに向かい始めてるって事に気付かないとおかしいし、映画館を出た後外で暴動か殺人が起きてても不思議には思わなかっただろうな。ちなみに精神病者は「社会で何が実際に進行中なのか気付いてしまった人間」の事でもあるらしい 、

脳の損傷で緊張すると笑いが止まらなくなってしまい、コメディアンを目指してるのに嘲笑われてしまうアーサーが何度も流す涙。ペニワイさんが泣かないから忘れてたけどピエロのメイクって笑いながら泣いてるんだよな。割と序盤から一触即発だったアーサーは社会のババ = ジョーカーを引いて ‘‘気付いてしまった’’ 側の人間。失うものがない人って何が壊れても誰が死んでも なんなら自分が殺されてもどうでもいいって気持ちになるから強いし怖い。

恐怖と笑いは紙一重の裏表。コメディアンのジョーダン・ピールは毎週テレビで人を笑わせる一方で『ゲット・アウト』『アス』みたいなホラーを作って人を恐怖のどん底に突き落とす。ジョーカーの書評で「男の狂気は少しずつ音を立てながら生まれる」みたいな事を書いてたライターさんがいたけど私はそうは思わない ... 正気も狂気も紙一重でそれが切り替わる瞬間ってすごく曖昧であっさりしたものなんだと思う。

何はともあれ単純に面白かった!!ジョーカー誕生譚としても一人の男の半生としても観応え半端ない。ウェインって名前出てきた時まさかとは思ったけどここまでバットマンと繋がってるとはおもわず。タクシードライバーは観といて正解だったけどバットマンビギンズ/ダークナイトも必修かも??

気になるのは至る所の年齢差だけです 、、、、