榎木津

ジョーカーの榎木津のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.4
脳に損傷を受けたせいで笑いが止まらなくなるという障害の設定が秀逸。単なる貧困だけでなく、障害の元になった幼児虐待、その50年後の老老介護、上級市民との格差社会、香港を連想するピエロの仮面をつけた暴動、アメコミの映画でなく、ジョーカーをモチーフにしたワンカットワンカット密度の濃い人間ドラマ。

全ては妄想、なんて解釈は野暮だろう。解釈は人それぞれでいい。テクニカルでは撮影と音楽がやたらいい。観賞後も個人的にはダークナイトのジョーカーが最高だけれど、この映画階段で踊るシーンにだけは叶わない。最高に美しく切ない名シーン。

デニーロのせいもあって思い出したけれど、余韻が似てる映画『タクシードライバー』が好きな人にお薦め。
榎木津

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