このレビューはネタバレを含みます
その闇を見ろ。
誰もが抱えるその暗黒を。
俺たちがなりうる怪物を。
私たちが生んだ悪を。
分断と格差、社会との断絶。
誰も愛してはくれない。
たった一人の母親すらも自分を騙していた。
ならば全ては喜劇だ。
必死に自分を偽り、人生を演じていた男がそれをやめるお話。
みんなが求める道化になろう。俺がやりたいことをやろう。
そんななにもかもをむき出しの悪に、男は目覚める。
現実社会で感じでいる不満や不安にリンクする劇中の社会情勢が、観ている私たちに共感を強める。ジョーカーに共感するのも反発するのも自由。しかし目を逸らすことだけは許されない。
彼だからこそジョーカーになったのか、いいやジョーカーという悪は誰もが抱えている。
そう思わされる映画だ。
私はジョーカーの誘いを断ることが出来るか。
エンタメとしてもとても面白い。ただ映画としても演技、演出全てがハイレベル。
満足できる映画でした。