このレビューはネタバレを含みます
良いものを見た!!!
すごい。何しろすごい。そして美しかった。
鬱展開っていう情報が多かったけど、そうは感じなかったなぁ。
確かにどんどん悲しくなるし、悪いことをしても裁かれることがないし、救われないし、話は悪い方にばかり転がるから、それを「鬱」と表現するならそうなんだろうけれど、私は劇場から出てきたときに鬱々とした気持ちよりも高揚した気分になったなぁ。
男が狂っていく様が見事。
ガリガリに痩せた猫背のホアキンフェニックスが美しいんだよ。浮き出た肋骨も、ダンスも美しい。
妄想と現実の行き来がある。
どこまでが妄想?現実?って考えるうちにゾッとする。
同じフロアの彼女と仲良くなるのは全部妄想。
家に入り込んで出て行ってくれと言われたのは現実?
その後に彼女は?
デニーロのショーで客席から呼ばれるのは妄想だよね?
でもステージの様子が放送されたのは現実?
ラスト、病院で女性医師と話しているのはいつ?
そのあと歩いていくのは現実?靴の裏が血で汚れているのは誰の血?
聞いた話によればいわばパラレル、マルチバース?のジョーカーで、ブルース様も出てくるけれど、「あの」ブルース様と同一人物ではないという。ただああやって、出会ってたらすごいよね。