福井康之

ジョーカーの福井康之のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
かなりいろいろな映画のオマージュ的なものが見えましたが、やっぱキング・オブ・コメディや、タクシードライバーなんか思い出しましたよ。

僕の中でJOKERといえば、ジャック・ニコルソンさんよりもヒース・レジャーさんなんです。ダーク・ナイトがとても好きで、ヒースさん演じるJOKERがインパクト強すぎて…今回のこの映画に興味がわいたきっかけもJOKERというキャラをヒースさんから興味をもったのが始まりみたいなもんですし。

音とか光とか影とか…とにかく映像や音楽も凄くよかった。

節目になるシーンによく見たのが階段のシーン。アーサーが階段を登ったり降りたり、或いは踊ってたり、様々なカメラアングルでの階段シーンが印象的で、躁うつ病的な展開というか、担がれては蹴落とされみたいな感覚をストーリーからも映像からも感じるようで、アーサーがJOKERになるまでの手順をふまされるような不気味さにハマってしまいました。

それでいて、ここでJOKERになったと言える決定的シーンがないあたりがリアルな感じで、観ている誰しもが自分にも何かしらJOKERになり得る何かを持っているんじゃないかと思わせる危うさがあると同時に、現実世界にある負の問題と関連づけて考えさせられる不思議な魅力を感じる映画です。

ただし!はっきりと言えることは、JOKERのやり方が正しいものではないということですかね。
福井康之

福井康之