とてもストレートな物語。
アーサーの覚醒後の姿を見て狂気を受け取るか、解放を感じるか。どちらであってもこの映画にとっては問題ない。
凄まじい開放感を放っていたと私は思う。
ホアキン・フェニックスはアカデミー賞を獲っても驚かない。彼がジョーカーを演じたことがすべて。
裸で踊るアーサーの背中はまるでエゴンシーレの絵のようだった。
彼の背中にあった傷は、最初の少年達から付けられたものだったのか。後半なくなっていたのがとても気になる。ちょうど虐待のエピソードが出たあとだっただけに。
それも含め現実と妄想をわざとないまぜにしてある。好きな方をとれ、と。
今という時代にこの映画が作られ世界に向けて投げかけられたタイミングの絶妙さ。
ジョーカー誕生の物語にバットマン誕生が裏テーマのように潜ませてあることも面白かった。
笑わない少年、ブルース。