権左衛門

ジョーカーの権左衛門のネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

劣悪な生活・都市環境、生まれつき勝ち組で下流階級蔑視なリーダーの存在、貧困、精神障害、許せない出自、これらから生まれるやりどころのない不満…が満ち満ちている映画。

バットマンシリーズを観たことがないからその作品内でジョーカーがどういう存在なのかよく分からなく、納得感は少なかった。ただジョーカーの支持者(社会的弱者)と、それに煽られてエスカレートする人の多さは予想外だった

アーサーの殺人…
・地下鉄で侮辱され暴行された仕返しで、3人のエリート社員を射殺
・自分の障害や歪みの原因をつくった、病院で眠る実の母親を絞殺
・自分を裏切ってクビの原因を生んだ同僚を自室でハサミで刺殺

アーサーが衝動的、誇大妄想しすぎて怖い。それでいて同僚を1人許したりしていて人間の気持ちがないわけでもないのも不思議

印象に残っているところ
・終始胸糞悪い話なのに、エンディングthat's lifeがやたら「人生って色々あるけど(それでいい)」的な雰囲気で、そのギャップがなんともいえない
・アーサーが最後パトカーの上に立ち、口を切って出た自分の血でピエロの大きな笑う口を描くところ
・アーサーが毎日自宅に帰る度に登る長い石の階段。重い後ろ姿が印象的
・生放送のショー番組で、自分の殺人行為を告白し、口論になった司会者を撃ち殺し、カメラに接近して「これが喜劇だ!笑」と言うサイコっぷり
権左衛門

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