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ジョーカーのkadisのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

バットマンほぼ見たことない状態で視聴。タクシードライバー、キングオブコメディは半分寝ながら予習。

社会から溢れたどこにでもいる青年アーサーがダークヒーロー・ジョーカーに変貌していく様がリアルだった。
証券マンを3人撃ち殺すシーン、最後の1人は撃たなくても良かったのにあえてトドメを刺してその後に自身の行動に恐怖して走り去るシーンはアーサーとジョーカーが混濁してる様がよく現れていた。一方で、母親、ピエロ時代の同僚(名前忘れた)、マレー・フランクリンと次々に人を殺すたびに躊躇いがなくなって大胆な殺人をしているところから青年アーサーからダークヒーロー・ジョーカーへの移り変わりを表現していると感じた。

この映画で言いたかったことは、たぶん誰でも残虐な人間になりうる可能性を秘めてるということなんじゃないのかなと思った。本当の悪は最初から邪悪に生まれるんじゃなくて環境で育つ、誰にでもジョーカーになる可能性がある、というテーマを強く感じた。最後のジョーカーを囲んでピエロ面の大衆がそれをはやし立てるシーンで、その場にいるピエロ誰でもがジョーカーとなりかわっててもおかしくはないと思わせる狂気があった。
この映画は今の社会に当てはめてみるとより一層恐ろしいなと思った。普段報道される殺人・犯罪事件の主犯はテレビやニュースで一方的な情報としてしか触れることはない。もちろん、殺人を犯すことを許容するわけではないし当然許されるべきことではないが、そうさせた原因が社会・環境にあるかも、といったことに目を向けずに社会から溢れている人たちを排除しつづけるとトーマス・ウェインのように路地裏で襲われて最期を迎えてしまうのかもという社会への風刺のようなテーマも散りばめられた映画だと思った。
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