キョーカイ

ジョーカーのキョーカイのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

すごい良かった、けど暗ーい気持ちになる。
内容は重いし、悲しい。
劇場出るまで客のほとんどが黙っててお通夜みたいな雰囲気だったのが印象的。

アーサーが「ダークナイト」のヒール"ジョーカー"となっていく経過を丁寧に描いている。
派手なシーンは少なく、アーサーの感情の機微を描くシーンが多い。

話題性に惹かれて見に行った人には退屈だと感じた人も多かったかも。

アーサーとウェイン家の関係も面白い。
終盤には、アーサーがダークヒーロー"ジョーカー"となりピエロ暴動のリーダーになる裏で、
両親を暴動で殺されたブルースウェインがゴッサムシティの影のヒーローになっていく様子も示唆される。

前半はアーサーの感情がどんどん高まり、爆発して殺人を犯してしまうまでを描いていて、いつアーサーが爆発してしまうかという緊張感で画面に釘づけにされる。

後半では、ウェインの存在や母親の秘密が殺人を犯してしまったアーサーをさらに追い詰め、狂わせていく様が描かれる。

「ダークナイト」ではジョーカーは血も涙もない極悪人となっていたが、今作を見ると彼の気持ちもよくわかる。

格差社会であるアメリカで父親からは存在を否定され、頑張って介護していた母親からは過去に虐待を受けていて、世間には障害で嘲笑われる、収入もあまりない、という全てに絶望するような状況に追い込まれる。

アーサーは「自分の存在価値なんてないんだ」と言うようなことを話していたが、地下鉄殺人を犯したあたりから、「ピエロ暴動のリーダー」「弱者のヒーロー」という役割に自分の存在価値を見出したんだと思った。

主演の方の演技がめちゃくちゃすごい。今にも爆発しそうなアーサーの狂気をすごく上手く演じてる。


ダークナイト見返す!