のぞみ

ジョーカーののぞみのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

恐らく今年最高作となるだろう映画だった(自分の中で)。
ホアキン・フェニックスの怪演は、思わず「これは演技じゃないと困る…」と思わされるほど。
それだけアーサーを顕現させていた。

恐らくトランプのジョーカーとも相関性のある今作。
前半と後半で衣装や画の色調が違うことから、2枚組であるトランプのジョーカーが連想された。
トランプのジョーカーはモノクロとカラー。
社会不適合者のアーサーと、犯罪道化王子のJokerは衣装の華やかさがまるで違う。
前半部分は陰鬱な暗めの画面だったのに対し、後半はネオン管や暴動隊などによって華やかに彩られていた。
有名な階段のダンスシーンも然り。
トランプのジョーカーとは、大抵踊っているものだ。高らかに笛を慣らし、ステップを踏む。
まるで己の解放を宣言しているかのようである。

他にも、カードゲームでの立ち位置から見ると、違った相関性が見られる。
モノクロのジョーカーは弱く、カラーのジョーカーはワイルドカードとして知られている。
劇中のアーサーも、社会の理不尽に抗えず不幸に陥っていく。その様は弱々しく映る。
Jokerとして覚醒してからは、暴動隊に祀られ、自らを蔑んだ人物を次々に殺していく。
逆転のワイルドカードさながらである。

最後に、トランプのジョーカーはカードゲームに於いて大抵排除される。
社会から排除されるアーサー。
犯罪者として排除せねばならないJoker。
特権階級者はなるほど、こぞって排除したがるわけである。
のぞみ

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