このレビューはネタバレを含みます
公開日に字幕で観て、今回は吹替で。一瞬も目が離せず、五感すべてを研ぎ澄まして一片も取りこぼしたくない。何気ないシーンの、例えば壁の滲みや。ほんの少しの表情の変化、声のトーン、目線、色。すべてが意味のあるもので、より世界観を深く落とし込んでくれる要素。
吹き替えは主観で、字幕は多角的に観られるイメージ。物語の入って来方が違っておもしろかった。
この世に生を受けてすぐ、愛から見放された男のかなしい一生。たったひとつの希望すら自らの描いた夢でしかなかったと気付いた瞬間、カチリと世界の歯車が変わった音がした。それは完全に世界から逸脱する音だったかも知れないけれど、彼にとってはしあわせだったのかな。
何度観てもダンスシーンに魅せられる。ジョーカーに変身していくメイクシーンと、かの有名な階段でのダンスシーンは圧巻。息を呑むうつくしさ。ホアキンを畏怖せずにはいられない。