世界でトレンドとなっている「分断」をテーマにした作品。
それを「アメコミ」映画がやってしまうというのが驚き。
(マーベルとは対極ですよね)
もっとも、ビギンズからなるバットマン三部作の延長上のようなテイストなのでファンならば、受け入れるのは楽だと思う。
原作のキャラクター像(とくにアルフレッドとウェイン父)を改変しているため、原作ファンは受け入れにくい描写も多いと思うが、そこはこの作品の主ではないと感じた。
私には、この作品の真の狙いは理解できなかったが非常に高度な政治的狙いがある作品だと感じた。
劇中、アーサーが「政治的意図はない」と言ってるのがメタになっているのだと思う。それこそ、監督の伝えたいことだったのか?
いま、特に米国では貧富の差がまさに拡大の一途を辿っており、アーサーのような社会保障が満足に受けられない市民が増えている。
そして、この作品がアカデミーで賞をとったのが最高の皮肉。
結局、我々市民は富裕層の手のひらで踊っているだけか。ははは。