ハミングワイ

ジョーカーのハミングワイのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.5
ジョーカーという題名さえ気にしなければ、人が狂っていく様がよく描かれある種の爽快感がある良作。
「小さい頃はコメディアンになりたいと言ったら皆に笑われた。だが、今は一人も笑わない。」という台詞にこの映画の言わんとすることがぎゅっと詰まっていて秀逸過ぎる台詞だった。
差別を擁護する訳では無いが、人間は臆病なので未知の者に恐怖を覚え拒絶する。しかし、拒絶された方は理由が分からないので傷つき孤独を抱えていく。それが正しく差別の根源で、何十年、何百年前から差別は良くないと言ってんだと思うのです。ただ、声を上げるのは差別される側なので、差別している側が気付かなければこの映画と同じ様に狂った世界が表になり、何もかもが逆転するなと。ジョーカー目線だとハッピーエンドなのだが、これをハッピーに感じた自分に違和感を感じたのは、やはりダークナイトのジョーカーが未だに強烈で、ジョーカーの狂おしい程に狂っている感は到底理解出来ないし、底知れぬ恐怖を怖いもの見たさで垣間見ようとしてこの映画を見たからなのかも知れない。詰まるところ、従来のジョーカーとはなかなか繋げて捉えるのは難儀であり、別物として観たら楽しめるのではないだろうか?