FREDDY

長いお別れのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

長いお別れ(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

中島京子の同名小説を中野量太監督が蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努の共演で映画化したドラマ作品である本作は、とある日に母・曜子から電話を受け、かつて教師を務めていた厳格な父・昇平の70歳の誕生日会のため久しぶりに実家へと戻ったところ父が認知症を患っていることを母から告げられた、飲食店の経営を夢見て惣菜店で働きながらレシピの研究に精を出していた次女・芙美と、海洋生物学者の夫・新と息子・崇とともに夫の転勤先であるカリフォルニア州モントレーで暮らすもアメリカでの生活に馴染めずにいた長女・麻里ら姉妹を軸に、それぞれが抱えた悩みや思わぬ事態と直面し苦悩や葛藤を覚え、ゆっくりと記憶を失っていく父に困惑しながらも家族と過ごす時間の中で家族の絆や父の愛情に気づかされていく7年間を紡いだ作品となっているのだが、本作は"認知症"というものを題材とした家族ドラマが描かれているので当然ながら認知症について考えさせられますし、認知症を抱える家族を献身的に支える難しさや記憶を失い家族として認識されなくなっていく複雑な心境などに目を向けさせられるので居たたまれない気持ちになり一概に面白いと評価ができない内容ではあるものの、蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努の豪華共演でそれぞれが魅せる個性的な演技によって創り上げられた一つの家族は様々な困難に直面しているが優しさや温もり、愛情やユーモアが溢れたものとなっていて、彼女たちが織り成す掛け合いはユニークでとても面白かったですし、何よりも映し出される家族愛というものが映像からでも体温が伝わってくる感じがまた良くて羨ましくも思えましたね。前文で触れた通り内容が内容だけに一概に面白いとは言えないものだが最後の最後まで楽しめましたし、切ないドラマながら心が温まるものとなっているので個人的には観る価値は大いにありましたね。観るべき一作では。
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