しょーたいむーびー

長いお別れのしょーたいむーびーのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
4.0
キャストを見て、今まで見たことないような組み合わせにワクワク。中でも『湯を〜』を撮った中野量太監督作への、山﨑努さんの出演がとびきり嬉しい。

原作未読にも関わらず、あらすじを読んだ時点で、映画を観る前から、痴呆が進んでいくお父さん役には、山﨑努さんがぴったりだと思った。そしてそれは間違いなかった。

客席のあちこちから聴こえたすすり泣く音。その人の生き方、家族構成、社会問題への関心の度合いにより、映画を観終えた時の感想は大きく二分するような気もする。でも、どちらだとしても、心地良い帰路であることは間違いない。

私には、例えば、春の暖かな陽ざしに照らされた縁側で、家族といっしょに温かいお茶と大好きなどら焼きを頂いている時のような、家族と過ごす時間の愛おしさを再認識させてくれる、ほっこりする作品でした。

中野量太監督、また忘れられないような家族の愛を描いた作品をありがとう。