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プレイルームのisopieのレビュー・感想・評価

プレイルーム(2018年製作の映画)
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5人の監督がカリスマ・ストリッパーの若林美保を料理するオムニバス。ステージでのパフォーマーも映画女優が本職ではないために、たとえば佐伯日菜子のようなプロパーの女優(「クローンハート」)、あるいは須森隆文のような異貌の俳優(「熱海の路地の子」)と並ぶと、ただのアラフォー女性にしかみえない瞬間のあるのはつらい。その意味で、いっそ彼女の肉体をオブジェと割りきって、ステージと正反対にとっかえひっかえ、着せ替え人形と化してみせた松蔭浩之(「LION」)の方向性はまちがっていない。ただし、これも〈いつか見たアート映画〉の枠からは出ていないと思う。
結果的に渋川清彦が好演する「などわ」、夫婦の冷えきった感情の描写が巧みな「Floating」と、若林にちゃんとした芝居場を用意した二編が意外にも楽しめた。

もっともこの日いちばんよかったのは、トークゲストの諸江亮という監督のホラー『コトリコ』。短編という形式をよくわかっている傑作。
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