ノラネコの呑んで観るシネマ

家族のレシピのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

家族のレシピ(2017年製作の映画)
3.8
エリック・クー監督の日星合作映画。
父を亡くしたラーメン職人の斎藤工が、幼い頃に病気で亡くなった母の故郷のシンガポールで、いつの間にか疎遠になってしまった母方の家族を探す。
やがて浮かび上がるのは、母と祖母の悲しい確執と、現在に影を落とす戦争の傷跡。
お話そのものは「美味しんぼ」のエピソードにありそうな話で、シンプルだがやや一本調子。
本作の最大の見どころは、やはり飯テロレベルの「ごはん」の描写だ。
ラーメンから始まり、多民族国家ならではの色鮮やかなシンガポール料理の数々が、美味そうったらもう!
歴史の蘊蓄を含めたごはんの説得力が圧倒的だから、「温かな料理が凍りついた心を溶かす」というベタな展開も納得できる。
バラバラになった家族が、再び絆を取り戻すところはちょっとウルっときた。
シンガポール食の旅に行きたいけど、とりあえず今夜は近所で美味しいもの食べに行こう。