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リンドグレーンのchiakihayashiのレビュー・感想・評価

リンドグレーン(2018年製作の映画)
4.7
 『長くつ下のピッピ』や「ちいさいロッタちゃん」シリーズの作者アストリッド・リンドグレーンの若き日々を描く。もう、この作品は誰彼となくオススメしたい。児童文学を読んでいるときって、どこか素直な気持ちになっている自分がいるでしょ? そんなふうに素直でありながらも真剣な気持ちで、自由奔放で独立心に富んだひとりの少女が人生の最初の困難に立ち向かって乗り越えていく姿を観ることができるのだ。見終えた後のなんともいえない豊かに充実した幸福感!

 スウェーデンの農村地帯。中学校を卒業したアストリッドは、在学中に書いた作文に目を留めた町の新聞社の編集人兼発行人ブロムベルイのアシスタントとして働き始め、父親ほどの年齢である彼と道ならぬ恋に落ち、妊娠する。ストックホルムへ出て自立すべく秘書の学校に通い、秘かにデンマークに渡って出産、生まれた息子をそのまま里子として預け、彼を引き取る日を夢見て仕事に就く。

 アストリッドはブロムベルイとの結婚を夢見ていた。彼にはアストリッドと同い年の娘を筆頭に子だくさんであり、二度目の妻は流産以来神経を病んでいて離婚を頑なに拒み、訴えると主張していた。アストリッドの妊娠に怒り狂った母親でさえ、彼の後妻になって人生を棒にふるようなことはしないで、と言うほど。
 さて、アストリッドの選択は−−−−。

 アストリッド役のアルバ・アウグストという女優さんがなんとも魅力的。いわゆる一般的な美人ではないところが実にチャーミング!(これって形容矛盾じゃないよね?)。
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