遥むーりー

リンドグレーンの遥むーりーのネタバレレビュー・内容・結末

リンドグレーン(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

「長くつ下のピッピ」や「ロッタちゃん」の著者アストリッド・リンドグレーンの伝記映画。
作家としての人生というより1920年代スウェーデンの田舎の信心深く古風な社会や家庭に抑圧され翻弄された女性の怒涛の10代後半〜20代前半の物語でした。
彼女は才能と機会に恵まれたので教会の土地の農民出身ながら新聞社で働けたり都市で勉強して秘書になれたりその後作家として成功するわけですが、当時彼女のようにはいかなかった未婚で母になった女性はどうなったのだろう…結婚も子どもを引き取ることも諦めた彼女がボロボロになる様子は悲しかった。

色彩の抑えられた20年代の服飾がかわかったのと、冬の夜遊びとか、スウェーデンの田舎ののどかな景色や家畜たちと子どもが癒しでした。
なんだかんだ友人らやデンマークの助産師さん、上司(後に結婚するリンドグレーン氏)に恵まれていてよかった。

リンドグレーンはデンマークで隠れて出産するんですけど、保護してくれる助産師さんとそれぞれスウェーデン語とデンマーク語で会話していました。とはいえ違う言語なのでその後一緒に暮らせるようになる子どもはデンマーク語話者になっていて時々齟齬がでるの切なかったです。
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