リンドグレーンのネタバレレビュー・内容・結末

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「リンドグレーン」に投稿されたネタバレ・内容・結末

幼い頃に、大人になって”心のよすが”になるような物語に出逢えてたとしたら、とても幸せだと思う。

特に多くの人が記憶に残る物語としてあげる『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』は、出逢えていたかどうかでその後の人生が変わってしまうのではないだろうかというくらいの個性的なキャラクターとの邂逅がある。やんちゃでお茶目、自由な精神を持つ主人公に知らずのうちに魅了され、年を重ね、さまざまな経験を重ねるにつれ、彼女たちに励まされながら生きることになるのだ。

これは大人になってから読んでも、記憶の改ざんができないのが残念なところで、自分には幼い頃に『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』を読んだ、または読んでもらった記憶がない。あんなに名作として語り継がれているのに。

なので、このリンドグレーンを勧められて、自分に響くかちょっと微妙だった。
ところが、この映画は作家アストリッド・リンドグレーンのリンドグレーンになるまでの話で、ピッピもロッタも執筆風景も出てこない。
幼い頃からちょっと変わった一人の女性の生き様として、力強くリンドグレーンを描いている。
18歳で父親の友人でまだ離婚の成立していない男性の子どもを身篭り、ひとりスウェーデンからデンマークへ渡って極秘出産するなど、かなり波乱万丈の20代を送った人だったのだろう。

主人公を演じたアルバ・アウグスト、年代の演じ分けが自然で、良かった。
狂ったように踊るダンスシーンに人間臭さが溢れていた。
子どもが風邪をひいてる時にお話を聞かせているシーンに涙です…。
仕事についた、恋をした、男を知った、妊娠出産、別離、育児、こうした流れで人は否応なく大人になってゆく。はずなのだが彼女の姿はまるで「ぼうけんのたび」を続ける子どものようだ。見ていてハラハラせずにいられない。「どうして子どもの心がわかるのですか」「それはな、わしが今でも子どもだからじゃよ‥ふっふ」フェミニズムくさいのと福祉国家アピールでマイナス1
長靴下のピッピの作者として有名な、女流児童作家アストリッド・リンドグレーンを描いた映画ということで足を運んだが、彼女が児童文学を執筆するシーンが全くなく少し驚いた。でも不満には感じなかった。アストリッドの下地となる時代を、いとも生々しく描いていたからだ。

映画の中では荒涼とした北欧の農村のつましい生活や、厳格な母親が描かれている。しかし実際のアストリッドには、明るく近所の大人にも子どもにも慕われる父親と、父親と同級生で、学生時代には優等生で通っていた母親がいたらしい。母親は厳しさも持ち合わせているが、それほど束縛の強い人ではなく、大らかでもあったらしい。そして兄が一人と、妹が二人。両親は農場を経営していて、人を雇用もしていたらしいから、それほど貧しいわけではなかったようだ。

アストリッドは、第二子の中間子らしく、なかなか意志が強い。思い切りもよくて、若いころはじゃじゃ馬、そしてモダンな女性で、若さも相まって様々なことを反芻するように考えてから行動する作家先生らしさはほとんどない。

学校を卒業すると18歳で、街の個人経営の小さな新聞社で、記事の校正や、時には取材などに行きながら、新しい世界に触れ、そして新聞社の上司で経営者の離婚調停中の中年男性と体を交わして、赤子をはらむ。時は1920年代、地方の農村では不義姦通には厳格で、また男性側の離婚が成立していなかったこともあり、アストリッドは世間の目をそらす意図もあり、首都・ストックホルムに、秘書の勉強と出産のために旅立つ。

そして、不義の赤子をデンマークの里親に預けて勉強し、やがて電話交換手のような仕事をしつつ男性の離婚を待ち続けるが、想定より長い時間がかかり、そのうち相手への気持ちが離れ、生まれ育った街にも帰らずに、出版社のタイプ打ち等で働きはじめる。ところがやがて、デンマークの里親が体を壊して、実子の男の子を引き取ることになり、母一人子一人で都会で働くシングルマザーになる。

のちに国や世界を代表することになる女の子が若かりし時代、古い慣習を乗り越えて思いのまま生きて、時に不遇に悩み苦しみ、やがて母親となり、女性が一人で生きていくのが難しい時代に、必死に生き抜く赤裸々なストーリー。

母親と今ひとつ噛み合わない理由や、男性との離婚に至る思いの変遷、長靴下のピッピの挿絵を担当する女性との関係など、描いてほしい箇所をしっかり描きこんでいないように見えるのが惜しいものの、この女性作家の創作の源流に触れられた喜びを感じた。

また、アストリッドがリンドグレーンになってからのことは、ほのめかしのようなものでしかなく、ほとんど描かれていない。おそらくそれは、リンドグレーンが作家になってから、とても積極的にメディアに登場し、様々な発言を行って国民的な支持を得る存在になっていったからで、スウェーデンでは作家としての彼女のことは誰もがよく知っていたからではないかと思う。

1907年に生まれ、2002年にこの世を去ったアストリッド・リンドグレーン。並走する存在だった近隣のフィンランドのトーベ・ヤンソン。彼女たちより前に、ニルスの不思議な旅を描いて、北欧の女流童話作家の先鞭をつけたセルマ・ラーゲルレーヴのことなどもつい思い起こす。

また、リンドグレーンの作品はピッピと、山賊の娘ローニャぐらいしか読んでいないが、特に処女作のピッピは、設定や序盤の風呂敷の敷き方は見事で愉しい作品だが、後半にかけて、ややとっ散らかって、まとめ切れていない印象があったが、それは若きアストリッド・リンドグレーンがまず動き、それほど先々のことを考えこまない、行動の人で、演繹的な作風だったからではないかと思う。

女性が活躍しずらい時代に生まれて、ひととき理解者のいない闇の底に落ち込みながらも、そこから光の中へと這い上がったアストリッドに、最晩年に寄せられた子どもたちの合唱が流れるエンドロールが進むにつれ、ふと回想を余儀なくされて、また文字のテロップがにじんでしまった。
『メアリーの総て』のようなドキュメンタリードラマを期待していたが、かなりの割合が濡れ場や不倫に関するシーンである上に、作家としてのAstrid Lindgrenはほとんど描かれていなかったのが残念…
一方で、一女性の生きる姿や家族に自分を受け入れてもらうことと自分の子を受け入れてもらうことの差、なにを持って母たり得るのかということがしっかりと描かれている、あるいは問題提起されている点は好きでした。
今や二児の母となった私の娘、彼女が幼かった頃、よく読み聞かせたのが長靴下のピッピでした。その原作者の伝記映画と思い、予備知識なしで観に行きました。
ええ、スウェーデンの美しい風景と優しいストーリーに癒やされようと期待して。

とんでもなかったです。
ずる賢く身勝手な中年男とうぶな少女のドロドロな不倫劇。
劇場には、若い男性が何人も来ていましたが、彼らにはまだ分かんないだろうなと思いつつ、のど頸に匕首を突きつけられているかのような、そんな緊張感をもっての鑑賞でした。

素晴らしい創作の背後にある、壮絶な人生。
観て良かったと思わせてくれる作品です。

最後に一言。
「カメラを揺らすな。」
冒頭に多かったのですが、登場人物の視点を意識してか、あえてカメラを揺らして撮影したシーンがありました。はっきり言って、不快でした。それ以外は、光を駆使した、美しい映像を楽しむことが出来ました。
前情報ゼロで鑑賞。最初はちょっと退屈に感じで寝ちゃったけど、どんどん目が離せなくなり、心震えた。涙は出なかったけど、見た後の余韻が凄く続いた。
男の魅力は最後まで分からなかったけど、10代の少女だったから、そうなったのは理解できる。その後、貧しくなることが分かりながらも、男に流されず道を選んだ彼女はあっぱれ。
娘の同級生に手を出して、都合のいいことばっかり言って、彼女を支配しようとする、薄っぺらい男にうんざり。1000コローナで済んだ!ってとことか、ぶかぶかの指輪渡すとことかほんとやだ!
あまり映画らしい演出が無くて、でも息子への愛が伝わってきて、色々揺さぶられた。描写はなかったけど、良い上司と再婚したみたいで良かった〜。
エンディングの曲のメロディと歌詞すっごく良かった。サントラ探してみよっと。
あと、スウェーデン語とドイツ語の単語かなり似てるのあるなって気づいた。
凄い良かった!!

あと2倍は見れた。
2時間あっという間で、途中で終わったかと思った。もっと見たかった。
同じ監督と配役で、続きがものすごく見たい!!

主人公の顔が妹に似てて、客観的に見れなかったかもしれない。
「物語が繋いだ親子の情」といえば聞こえがいいけど、無責任な男に腹が立って苦しい映画。リンドグレーン氏ありがとう。邦題がよい効果。
子どもの頃 大好きだったリンドグレーンの物語。長靴下のピッピシリーズ、やかまし村の子どもたち、ロッタちゃんシリーズ...。なかでも岩波文庫で買ってもらった名探偵カッレ君シリーズが面白くて面白くて。私の小学生時代をとても豊かなものにしてくれました。

その崇拝すべきリンドグレーンを描いた映画とあらば観ない訳にいきません。

家族は愛し合っているけど、キリスト教の規範を頑なにに守る固苦しさを両親...特に母親が持っています。
文才を見込まれて働き始めた小さな新聞社のオフィスでアストリッドはずっと歳上の男性と恋に落ちてしまうのだけど、歳上だからと言って受け身で甘えるような恋ではなく、相手を包むような恋愛だったように見えました。
とてもしっかりした18歳です。

男性が離婚調停中に付き合い妊娠してしまった為、それがバレてしまうと姦通罪が成立してしまうというので、隠れてデンマークで一人 子どもを出産するのだけど、なんて強いのかと思いました。

事情があって自分で育てることのできない母親に代わって子どもを育ててくれるマリーさんが、本当に慈しみ溢れるいい人で良かった。でもラッセ君がマリーさんをママと呼んでるのを聞いた時のアストリッドの悲しさ、嫉妬心たるや.....本当に辛かっただろう。
マリーが亡くなってから本当の親子になっていくのだが、子役ってあんなに小さくて本当に演技をしてるんだろうか⁇凄すぎる。

私が好きなシーンは断絶していたアストリッドの母親がラッセを抱きかかえて、堂々と教会に歩いて行くところです。
あと、畑で家族みんなでジャガイモの種芋を投げ合うシーン。厳格なお母さんも一緒になって投げて笑顔で...。
裏主人公はアストリッドのお母さんかもしれないなぁ。

それから90歳を過ぎたアストリッドに沢山の子どもたちからの誕生日を祝うメッセージが来ていて、その子たちの言葉が劇中に散りばめられているところも良かった。

リンドグレーン氏との恋愛については、あまり触れられてなかったけど、歳上男性と破局してしまった後に、子連れでもまた とても素敵な人に出逢えて本当に良かったです。それだけアストリッドが魅力的な女性だったということなんでしょう!

今またリンドグレーン作品を読んだらどんな気持ちになるかな。そういえば娘はリンドグレーン作品 読んでなかったような。小学校時代に与えてあげたかった。しまった!
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