ぺりこ

パリ、嘘つきな恋のぺりこのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、嘘つきな恋(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ただの中年の恋愛コメディ映画と思いきや、度々発せられる台詞や心情を汲み取ると涙が出てくる、終わってみれば笑って泣ける感動作品でした、笑

お金持ちだが軽薄プレイボーイの主人公ジョスランが恋愛に関しては百戦錬磨なはずなのに、実は初恋も知らず本人もそのことに気づいていないと言うギャップにまずはときめいてしまうだろう、笑

最初についた嘘から抜け出せないジョスランの勇気のなさに苛立ちを感じつつも、いつの間にか応援している。観客を味方に付ける魅せ方がとてもよく出来ている。

相手役の車椅子の女性フロランスに出会ってからジョスランは彼女に恋心を抱くのだが、彼女は更に大人であるがやはり恋愛に関してはまだ少し臆病な面もある。ジョスランは偶然を装ってはフロランスに会いに行き、フロランスもまた会いに来てくれるジョスランに惹かれていく。ジョスランは本当のことを言えないままで・・・この様がとてつもなく切ない。

フロランスをホテルまで送ったジョスランは雨に打たれながら車椅子で帰る、この姿をフロランスはホテルの部屋の窓から眺める。後からわかる事だが、この時には彼女は彼の嘘を知っていたとなると別の感情でフロランスは見送っていたのだなと思うと、更にまた切なくなる。

ジョスランの家に招かれたフロランスがとても可愛くて、初恋を知った少女のような振舞いだった。ダイニングテーブルからプールに切り替わり、そのまま水中に吸い込まれていくシーンはお洒落過ぎて流石金持ち、笑 フロランスのドレスが水中で広がり蕾から赤い花が咲く、まさに恋心から恋愛に変わっていく瞬間だったのでは無いだろうか。

終盤でフロランスの妹ジュリーがジョスランの嘘を知り、彼に問いつめるシーンで彼に向かって言ったセリフが襲撃的だった。「障害者なのは、あなたの方」これ程突き刺さる言葉はないのでは無いか。

作品を見終えてからまだ先が見たい欲求はあったのだが、大人の恋路を邪魔しては行けないと涙を拭いつつ思いとどまった、笑

ジョスランの周りの秘書マリーと友人で医者のマックスも中々の曲者で、劇場で笑いを堪えるのに必死だった、笑
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