このレビューはネタバレを含みます
『朝鮮王朝実録』をもとに創作を加えて製作されたアクション映画である本作は、国に疫病が蔓延していた朝鮮・中宗22年を舞台に、宮廷の背後にそびえる仁王山にムルゲと呼ばれる物怪が現れるという噂が流れ、民衆が恐怖と混乱に陥っている最中に密かに計画されていた、11代中宗王の失権を目論む陰謀を阻止すべく呼び戻された、政争により朝廷から追放されていた朝鮮国最強の武人・ユン・ギョムの活躍を描いたものとなっていて、長年の同僚であったソン・ハンと医術の知識を持つ娘のミョンらとともに、仁王山に巣食うムルゲの討伐に奮闘するユン・ギョムの活躍は観ていて面白かったですし、単純なモンスター・パニック映画ではなく、朝廷内に渦巻く陰謀というスパイスや、1527年、朝鮮・中宗22年という時代背景、そしてこれが『朝鮮王朝実録』に記述されているものから着想を得て製作された作品であることには心惹かれるものがありました。ホ宣伝官を演じたチェ・ウシクや、ミョンを演じたイ・ヘリなどといったキャスト陣も目に残るものがあり、期待して観るほどの作品ではないが、暇つぶし程度の視聴には最適な一作といったところ。
