Ryan

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女[完全版]のRyanのレビュー・感想・評価

4.0
ミレニアム


ストーリー
雑誌『ミレニアム』で執筆しているジャーナリストのミカエルは、ある老富豪から、40年近く前に16歳で失踪した親族の少女の失踪事件再調査を依頼される。後に。荒んだ家庭環境の影響から社交性は全く無いが、天才的なハッキング技術を持つ女性リスベットも、調査に加わる。


主演 ノオミ・ラパス
監督 ニールス・アルデン・オプレヴ


北欧サスペンスの傑作!遂に!

先にハリウッド版2作を鑑賞済みだが、ちゃんとオリジナルに忠実に作られているのだな。
フィンチャーらしさ全開のハリウッド版も大好きなのだが、やはり今作も素晴らしい。

北欧サスペンスの1番好きなところが空気感。
嫌な雰囲気と陰湿な空気感が漂い、まるで生きているかの様に物語に作用する。
終始何が起こるかわからない展開と予測不能なオチには思わず唖然とする。

今作は北欧サスペンスの中でもかなり上位の面白さを持っていると考える。
閉鎖的な空間、社会不適合、人格形成において、対人恐怖症、権力とモラルなどなど、尺は3時間と長いが、この内容を詰め込めるだけの要素と描き切る演出力、何よりそれらを表現する魅力的なキャラクター達の登場に心踊ることは間違いない。

フィンチャー版が"完成された傑作"だとすると、今作は"過程の傑作"だろう。
フィンチャーは独自の視点から"ドラゴンタトゥーの女"に焦点を当てた。アートに近い絵作りでありながら描くのは人間の"恐ろしさ"だった。
今作は、多少の荒さと綺麗な着地点を模索した結果のラストだと考える。
それが北欧らしいサスペンスとなりこのラストに繋がった。
どちらもとても大好きで甲乙つけ難い。

ノオミラパスは「プロメテウス」の印象が強かったが、これをきっかけに「ドラゴンタトゥー」になるのは間違いない。
ルーニーマーラーもノオミラパスも両方のリスベットが大好きである。

続編の2と3が楽しみで仕方ない。
Ryan

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