このレビューはネタバレを含みます
宇宙がごく身近になった世界がとても自然。
父は、無遠慮に資源を消費する人間を滅びゆく種族と呼び、別の知的生命体の存在を追い求めた。人間に愛想を尽かしより高次な知性を欲していると感じた。
同じ境地にいた息子は、父を二度喪うという個別な経験によって、父とは違う道を見出した。
父殺しを経て迷いから抜け出すのはなんだか宗教的。
終始淡々と進む物語は、どこか小説を読んでいる心地だった。
インターステラーが父と娘の物語なら、
アドアストラは息子と父の物語。
またひとつ、美しく味わい深いSF映画に出逢えてうれしい。