ホーガン

シャドーのホーガンのレビュー・感想・評価

シャドー(1982年製作の映画)
3.9
敬愛すべきダリオ・アルジェントの過去作から順番に再鑑賞、レビューしてみようのコーナー。その第七弾。

「魔女三部作」でオカルト作品が続き、ハリウッド資本で大ゴケした後、またジャーロに戻ってきた。特徴的なカメラアングルと色彩感覚は、前者についてはクレーンが多用され、後者は白と黒が強調され、白に血とハイヒールの赤が映えている。音楽も前作でキース・エマーソンを起用したが本作ではまたゴブリンに戻っている。コロナ禍前に本作のゴブリンの生演奏付き上映会にも参加したけど、この作品のスコアも良き。

ゴアシーンは控え目であっさりばっさり数多く、「13日の金曜日」などのスラッシャー映画の影響もあるのだろう、ダリオ作品で手斧が出てきたのも本作が初めてだ。しかし、ただのスラッシャー映画にしないのはやはりジャーロの継承者であるダリオのプライドか。とはいえ強引過ぎるプロットは相変わらず。まさか途中で真犯人が交代し、しかも第二の真犯人も反則的な離れ業であろう。

前衛過ぎた「インフェルノ」からの傑作ジャーロ。まだダリオのピークは続く!! 次はいよいよ公開当時15歳のジェニファー・コネリーを毒牙にかける「フェノミナ」のレビュー。
ホーガン

ホーガン